上智大学ってどんな大学?
上智大学は千代田区の四谷キャンパスなどをメインとするミッション(キリスト教)系の私立大学です。
ミッション系の大学は、他にも多数あり、国際基督教大学(ICU)や明治学院大学、関西学院大学などが挙げられます。
ミッション系の大学ではありますが、キリスト教徒以外は入学できないということはまったくありません。

また、キリスト教徒が優遇されるということも基本的にはありません。
その例外は「神学部推薦入試」と「カトリック高等学校対象特別入試」だけであるといえます。
上智大学の運営は学校法人上智学院が行なっており、その母体はザビエルでおなじみのイエズス会です。
世界史が得意な方は知っているかもしれませんが、イエズス会はローマカトリック教会に属する、男子修道会です。
そのため、今でこそ華やかなイメージのある上智大学ですが、設立された1913年当初は男子校だったのです。
1957年から上智大学は男女共学となりました。
そんな上智大学は、関東では早稲田大学・慶應大学に次ぐ名門大学です。
上智大学新聞学科ってどんなことを勉強するの?
上智大学新聞学科では、新聞学科という学科名ではあるものの、テレビやインターネットなども含めたメディアやジャーナリズムについて広く学ぶことができます。

新聞学科の特徴として、新聞、出版、映画、広告などのマスメディアを扱うのはもちろんのこと、時代とともに変化するメディア媒体について幅広く学びます。
また、昨今話題になることも多いメディアのあり方や、メディアが社会に与える影響について学ぶなど、メディアを中心とした社会学的観点からも学習をすることができます。
ちなみに、日本には「新聞学科」という名称の学科は上智大学新聞学科と、日本大学新聞学科しかありませんが、学ぶ内容を見てみると同様の学びを提供している大学は他にもあります。
たとえば、上智大学新聞学科の水島宏明教授は、2016年まで法政大学社会学部メディア社会学科教授を務めており、新聞学科と社会学に強い関連性があることが伺えます。
「社会学」と聞くと何をしているのかよくわからないと思われることが多いのも事実ではありますが、上智大学新聞学科を志望するのであれば、併願先として社会学部のある法政大学や早稲田大学、立教大学などを考えてみると良いかもしれません。
上智大学新聞学科の就職先は新聞社やメディアが多い?
上智大学新聞学科の就職先はやはり新聞社が多いのでしょうか。
上智大学文学部新聞学科を2018年度に卒業した人の就職先として最も多かったのが日本放送教会(NHK)で6名(男性1名、女性5名)。
次いで多いのが、人材会社の「ネオキャリア」で3名(男性1名、女性2名)。
メディア関連ではNHKのほかに、関西テレビとジュピターテレコム(J:COM)、KADOKAWA、毎日新聞、中日新聞、スポーツニッポンがそれぞれ女性1名。
BS TBS、北日本新聞にそれぞれ男性1名。
講談社、毎日新聞、共同通信にそれぞれ女性2名。
これらを合わせて、20名がメディア関係に就職していることがわかります。
就職先のデータ母数が74名中であることを踏まえれば、27%の卒業生がメディア関係に就職しており、メディアへの就職に強い学科であると言えそうです。
メディアへの就職に強いといわれる早稲田大学政治経済学部のマスコミへの就職率は8%です。
もちろん、いずれの学部・学科でも全員がメディアやマスコミを志望しているわけではないため単純比較ができるものではありませんが、上智大学新聞学科のすごさがわかるのではないでしょうか。
あえてネガティブな話をするのであれば、直近5年間でNHK以外の在京キー局への就職実績は5名であり、上智大学新聞学科のメディアへの就職実績はNHKによるところが大きいというのも事実です。
ここ5年間の中でメディアへの就職実績がもっともよかったのは2017年であるようです。
そのほか、上智大学が公表しているデータを見てもらうとわかるのですが、女性の就職実績に支えられている側面も大きく、メディアで働きたい女性には特に魅力的であるといえそうです。
日本大学の新聞学科とはなにが違う?
さきほど新聞学科という名称の学科は日本に2つしかないとお伝えしましたが、もうひとつの日本大学新聞学科とはなにが違うのでしょうか。
まず、学ぶ内容についてですが、あまり大きく異なることはありません。
日本大学新聞学科にも、上智大学新聞学科と似た経歴の教授が多数おり、その学問領域に大きな違いはありません。
違いとしては、日本大学新聞学科は法学部新聞学科であることから、卒業時の学士が法学になる一方で、上智大学新聞学科では文学部新聞学科であることから、文学の学士になります。
とはいえ、そんな違いが実生活で影響する場面なんてありません。
一番気になる就職実績の違いですが、日本大学の就職先データからは新聞学科単体での就職実績は不明です。
日本大学法学部として、メディアではNHKや北海道放送などへの就職実績があるようです。
そのため、勉強することはほぼ同じで、違いは就職実績であるといえそうです。
そんな上智大学新聞学科の難易度は?
上智大学の入試偏差値は60~65くらいとされています。
とはいえ、入試方式により倍率に大きな開きがあるため偏差値だけでは判断しづらいのも事実です。
2018年度入試で最も倍率が高かったのはTEAP利用型入試で12.4倍。
募集枠20名のところに249名が志願しました。
一方で最も倍率が低かったのは、指定校推薦であり募集7名のところ6名が志願しました。
もっとも、一番多く受験されるであろう一般入試は5.3倍で、募集枠78名に対し、519名が志願、505名が受験しています。
これらを踏まえると、かなり難易度が高そうに見え、TEAP利用型入試と一般入試の併願を考える人が多くでるのではないでしょうか。
2018年のTEAP利用型入試は20名の募集枠に対して、同数の20名しか合格を出していません。
一般的に大学入試は、一定数の受験生が併願先に合格したなどの理由で辞退することを見込んで多めに合格を出すのですが、この年のTEAP利用型入試ではそれをしていません。
例年そのようにやっているのかと言えばそういうわけでもなく、2017年、2016年は定員よりも多く合格を出しています。
このあたりは、大学と受験生の心理戦のようなところもでもあります。
極端に倍率が低ければ、チャンスだと思って受験する学生が増えます。
しかし、それで受験生が増えすぎると倍率が上がりすぎてしまい、翌年の受験生が敬遠してしまいます。
というように、大学としては受験生を増やしつつ、高い偏差値を維持できるよう合格数を調整することがあります。
ですから、直近のデータだけ見て倍率が高いから諦めるというのはもったいないことです。
実際、TEAP利用型の入試倍率は、直近の2018年から順に12.4倍、6.5倍、2.7倍となっています。
で、2018年だけは定員ちょうどしか合格を出さなかった。
つまり、ちょっと多めに合格を出せば倍率を10倍くらいに止めることができたかもしれないのにあえて合格数を減らしてまでも倍率を高くしたのは、これ以上倍率が上がると、「受けるだけムダ」と受験生に思われてしまうのではないかと考えたのだろうと思われます。
一方の一般入試では、78名の募集枠ですが、95名に合格が出されています。
この95名というのは、例年が約130名程度であることを考えると、少ない水準となっています。
実際、上智大学新聞学科に合格できるの?
一定数の合格者がいるのですから、合格することは可能です。
しかし、TEAP利用型や一般入試を考えても、英語が得意だから上智大学を受験するという戦略はあまり得策ではありません。
特に、上智大学の入試では、偏差値法が採用されており、単純に3科目の足し算で点数を出すのではありません。
全科目バランスよくできていて、なおかつ特に得意な科目があるという人が最も有利です。
また、TEAP利用型は、TEAPのスコアは一定得点で良いことから、他の科目での勝負となります。
TEAP利用型と一般入試の併願も相当数見込まれることから、英語だけで勝負したいのならば学問領域はまったく異なりますが、慶應のSFCを受験したほうが合格確率が高いでしょう。
TEAP利用型は、英語はそこまで得意じゃないけれど、国語と歴史が得意という人に有利であり、一般入試は3つがバランスよくできる人に有利であるといえそうです。
